22_ 57,100,000 対31,700,000

さて、これは何の数でしょう。

「きもの 猫」と「きもの 犬」でweb検索してみた数だ。犬だってとっても可愛いのに、きもの好きには圧倒的にネコ好きが多いのはどうしてだろう。

わたしも「ネコ好きのきもの好き」。保護ネコ出身の黒猫が2匹、捨て猫出身のハチワレが1匹、計3匹と暮らしている(お世話させていただいている)。

竹久夢二を持ち出すまでもなく、きものとネコは確かに絵になるけれど、絵になるからネコ好きになるわけじゃないし、ネコ好きだからきもの好きになるわけでもない。わたしもそうだ。前々から考えているのだけれど、どうしても納得できる答えにたどり着けない。

「大事にしているのがわかるのか、きものにだけはいたずらしないのよ」という話もよく聞くが、残念ながらウチのは違う。3匹とも興味津々で、ちょっと脱いでおいたきものの上に寝ころんだり、ご機嫌でゴロゴロいいながら香箱座りしたりするし、帯締めやらコーリンベルトやらを狩る。帯で爪を研ぎそうになって慌てることもよくある。 きもの沼には無数のネコが闊歩している。ネコブログ兼きものブログは無数にあるし(ちなみに「きもの 猫 ブログ」:「きもの 犬 ブログ」は、14,600,000対 8,930,000)、きものや帯に始まり多種多様な小物まで、ネコ柄がないものはないんじゃないだろうか。

先日、仕事の打ち合わせの席でのこと。向かい合ったお客さま(男性)が、猫の帯留を見るなり吹き出した。「この隣に、煮干し型のブローチをつけようと思うんです」と言ったらもっと笑ってくださった。いつもちょっと堅苦しいほど折り目正しくきちんとした方なのだが、これをきっかけに猫談義に花が咲いた。こんなコミュニケーションが生まれるのも、きものならではなのかも知れない。


奈良女子大学文学部を卒業後、美術印刷会社の営業職、京都精華大学 文字文明研究所および京都国際マンガミュージアム勤務を経て、2015年に独立。岩澤企画編集事務所を設立する。
ライター業の傍ら、メディアにおける「悉皆屋さん」として様々な分野で活躍中。
30歳のときに古着屋で出会った一枚のスカートをきっかけにモード系ファッションの虜となり、40代から着物を日常に取り入れるようになる。現在、病院受診と整体治療のある日以外はほぼ毎日、きもので出勤している。

岩澤さんブログ「みみひげしっぽ通信」
http://iwasawa-aki.jugem.jp/

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